高度1万メートルでの飲酒は控えた方がいい理由(ワケ)

飛行機で飲むお酒って、美味しいですよね!
長距離フライトの時は、強めのお酒をクッといって、ほろ酔い気分で眠りに就く!

これ、私の得意分野なんです。

でも、なんとなく想像つくとは思いますが、上空での飲酒はどうやら控えた方が良さそうです。
と言うより、酔いが回りやすいだけでは無くキケンだとのこと。

今回はその理由について、葉石かおりさんの著書『酒好き医師が教える・最高の飲み方』から解説します!

機内で酔いやすくキケンな理由の一つは低酸素状態

高度1万メートルの上空では、地上の9割り程度の低酸素状態になっています。

「飛行機は離陸した後、高度1万メートル付近を飛行しています。

飛行中、飛行機は空気を外から取り入れ、与圧装置で気圧を調整しています。飛行中の機内の気圧は0.8気圧前後、最大で0.74気圧まで下がり、これは富士山でいう5合目程度に匹敵します。〜中略〜気圧の低下に伴い、酸素の分圧も減少します。具体的には、機内の酸素分圧も地上の80%程度まで低下します。」(著書より)

このような機内環境により、地上に居る時に比べて一回の呼吸で体内に入ってくる酸素が2割減ることになるそうです。人間の体は呼吸や脈拍を上げて適用しようとするそうですが、それでも血液中の酸素濃度は92〜93%と低酸素状態になるようです。

酸素飽和濃度は、90%を切ると低酸素危険レベルとなります。つまり、機内では危険レベルの一歩手前の状態にあるわけです。この低酸素こそが、『いつもより酔いが早い』と思う要因の一つなのです。」(著書より)

何気なく頻繁に乗っていた飛行機ですが、実は上空の機内ではキケンの一歩手前の環境となっていたようです。

お酒を飲んでさっさと寝る、は危ない

機内では、アルコールは取らずに就寝しないとキケンが高まります。

「大越さんは実際に、成田ーバンコク間のフライトで、自身にパルスオキシメーターを装着して酸素飽和濃度の変化を測定している。

フライト中の酸素飽和濃度は平均して92.8%と、常に低酸素状態にあることが分かる。しかも、ところどころで低酸素危険レベルである90%を切っている。さらにグラフをよく見ると、フライト半ばでいきなりガクーンと数値が下がり、低酸素危険レベルをしばらく下回っている部分があるではないか。どういう状態だったかと大越さんにうかがうと、『ワイン2〜3杯飲んで、就寝していた』という。『就寝時は、健常な状態の人でも呼吸が浅くなるため、覚醒時より低酸素状態になります。また、アルコールを摂取すると、低酸素に対する体の反応が鈍くなってしまいます。アルコールを飲んで寝てしまうと低酸素を助長することになり危険です」(著書より)

長いフライトほど、お酒を飲んでさっさと寝て、体を休めるというのは、実は自分の体を危険に晒す行為なようです、、、。

心臓疾患や糖尿病をはじめとする、血管に関わる持病を抱えている人は、症状が悪化する可能性が高くなるため、より一層の注意が必要だそうです。

機内は湿度20%!猛烈に乾いている!

機内では湿度も20%程度しかありません。

機内で怖いのは、低酸素状態だけでは無いようです。

「低酸素に加え、機内の乾燥による水分不足にも注意する必要があります。アルコールの利尿作用により水分不足が助長され、いわゆるエコノミークラス症候群などの健康問題を引き起こす可能性が高まります。飛行機内は極めて乾燥しています。フライト開始後30分も経つと機内の湿度は30%台に下がり、その後20%程度まで下がります。適度な湿度と言われる40〜70%と比較すると半分以下です。乾燥している状態で、利尿作用があるアルコールを飲むと、血液中の水分が不足し、血液はドロドロ状態になり、血栓のリスクが高まるのです。それでなくとも機内は同じ姿勢で長時間座っていることで、血栓ができやすいと言われています。これが、『機内でのアルコール摂取がエコノミークラス症候群を引き起こす可能性がある』といわれる理由です。エコノミークラス症候群を避けるためにも、アルコールは控えた方がいいでしょう。特に心臓病などの血管系の病気や生活習慣病をお持ちの方は注意が必要です。また、女性の場合、血栓リスクがあるピルを服用している方は特に注意が必要です」(著書より)

エコノミークラス症候群。長期フライト後到着して具合が悪くなり、その後亡くなる方が続出したり、ワールドカップ出場のサッカー選手が発病したことなどで、一時期かなり騒がれました。

飲酒することで、発症リスクが大きく高まるようです。

航空会社のホームページ等でも、「機内でアルコールを取ると、血栓ができやすくなる」と注意喚起を促しています。

それでもやっぱり飲みたいあなたへ

機内食中には、アルコールを控えましょう。

私も以前は、機内で食事の際には必ずワインやビールを飲んでいましたが、機内の飲酒にリスクが高いことを知ってからはお茶かお水に変えました。

とは言え、「やっぱり飛行機での長旅には、アルコールは欠かせない!」という左党のあなたは、どの程度ならリスクを高めずアルコールが楽しめるのでしょうか?

「できればお酒は避けていただきたいところですが、どうしてもお酒を飲みたいのであれば、量を減らしてください。あくまでも目安ですが、日頃の半分程度にとどめておくのが賢明でしょう。また、アルコール度数の高いウイスキーやブランデーはストレートやロックで飲むとアルコールの影響が出やすくなるため、水で割って飲むようにしましょう。気をつけたいのが、ビールやスパークリングワインなどの炭酸系。機内は胃腸の中の空気が膨張するので、ガス腹にならないようにするためにも、避けたほうが無難です」(著書より)

日頃大酒飲みの方は、「なんだ、日頃の半分程度はいいんだ!」なんて思わないでください。

どちらにしても、飛行機での飲酒はキケンである、ということを忘れないようにお願いします。

その他、1時間に100ミリ程度の水分を取ることもお勧めだそうです。

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※参考記事
[blogcard url=”https://www.kaigai-hoken.info/dont_be_too_sure-of_yourself/” title=”油断大敵!海外滞在中の高齢者高額事故・病気事例!備えましょう、わたしからの5カ条。” content=”高齢者の方は、高山による旅では低酸素症にもご注意を!”] [blogcard url=”https://www.kaigai-hoken.info/s-r_to_singapore_with/” title=”糖尿病持ち55歳。セミリタイアでシンガポールへ。” content=”糖尿病などの持病をお持ちの方は、海外や機内での環境の変化に特に注意が必要です。”]

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

海外でも日本でも安心な、日本の海外旅行保険まとめ

  • 飛行機での飲酒がキケンな理由は、まずは機内では低酸素状態であるということ。酔いも回りやすくなります。
  • 湿気も極度に低いため血液がドロドロになりやすく、アルコールの利尿作用でより一層血栓リスクが高まります。
  • 呑まないことが一番ですが、日頃の半分以下に抑え、且つ1時間に100ミリ以上の水も飲むことをお勧めします。
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