日本の海外旅行保険VS日本の健康保険_Part 2

海外渡航が決まり、駐在以外で長期滞在や生活をされていらっしゃる方の殆んどが、海外現地での医療の備えについて悩まれたことがあると思います。

恐らくこのブログをご覧のあなたも、そうでは無いですか?

そんな皆さんに向けて、前号では「日本の海外旅行保険ⅤS日本の健康保険Part1」を記事にしました。

※前号をまだお読みでは無い方へ
[blogcard url=”https://www.kaigai-hoken.info/overseas_travel_insurance_vs_health_insurance_of_japan_part_1/” title=”日本の海外旅行保険VS日本の健康保険_Part 1″ content=”既に海外で長期滞在をされていらっしゃるあなたは、日本の健康保険はどうされていらっしゃいますか?これから海外で長期滞在をされる方は、どうされようと思っていますか?そんな方々に、それらの海外でのお役立ち度を徹底比較します!”]

それでは前号からのVS対決、パート2では実際にあったリアルな事例でVS対決の続きです。

海外で、海外旅行保険と日本の健康保険だけでの対応。具体的な事例集。

海外で実際に治療を受けた場合の比較をしてみましょう。

ここから具体的な病気やケガの事例で、日本の海外旅行保険に加入していたケースと、日本の健康保険だけで対応した場合の、最終的な自己負担の違いを見ていきます。

但し、どんな事例でも現地の方々が通常利用するような病院では無く、外国人向けの病院やクリニックを利用した場合での比較です。また、日本の健康保険を利用して、事後還付請求をした場合の日本での認定金額は、地域やケースによって違ってきます。

事例1、シンガポールで風邪をひいて、通院を2~3回ほどしたケース。現地トータル医療費、日本円で4万円。

  • 日本の海外旅行保険:全額保険からの支払いで、自己負担ゼロ円。
  • 日本の健康保険:日本での治療費水準で11,500円(10割)と認定。還付金はその7割で8,050円。自己負担は31,950円発生。

シンガポールではただの風邪で薬を処方してもらっただけで、医療費4万円くらいかかります。ローカルの病院なら安いですが、ドクターとのやり取りは英語のみで医療用語は専門的。

事例2、上海で上海ガニを食べていて、硬い甲羅で歯が欠けてしまったケース。セラミックなどは使わない治療で、現地トータル医療費61,000円。

  • 日本の海外旅行保険:全額傷害治療費用からの支払いで、自己負担ゼロ円。(歯の治療でも、このような場合には対象となります)
  • 日本の健康保険:日本での治療費水準で、16,000円と認定。還付金はその7割で11,200円。自己負担は49,800円

一般に、歯科治療は対象外となる日本の海外旅行保険ですが、このような事故の場合には全額が対象です。こんな事例、良くありますよね。

事例3、オーストラリアで奥様が待望のお子様を出産されたケース。プライベート利用で、産前の定期健診から自然分娩による入院費用など含め、一般的に120万円程度の場合。

  • 日本の海外旅行保険:妊娠に関わるケースは、異常妊娠を含め全て補償対象外。自己負担額120万円
  • 日本の健康保険:出産一時金で、約30万円前後が事後還付請求にて支払われます。自己負担額約90万円

妊娠のケースについてだけ限って言えば、現地で異常妊娠も補償される医療保険もいいかもしれませんね。

事例4、フランスで、転倒し左足首の骨にひびのケース。現地トータル費用193,000円。

  • 日本の海外旅行保険:全額全額傷害治療費用からの支払いで、自己負担ゼロ円。
  • 日本の健康保険:日本の治療費水準で、整復手術なども含めて32,000円と認定。還付金22,400円にて、自己負担額170,600円

事例5、シンガポールで、盲腸になり3泊4日入院したケース。現地トータル費用、私立病院で入院保証金24万円+手術費485,000円が掛かりました。

  • 日本の海外旅行保険:入院保証金も証券提示にて不要。手術費も全額補償で自己負担ゼロ円。
  • 日本の健康保険:入院保証金+手術費を全額まずは支払い。後日入院保証金は全額返金。手術費については、日本での治療費水準で40万円が認定。還付金28万円で、自己負担は205,000円

誰もが一度は経験する可能性の高い盲腸。世界で見ても、治療費の格差は非常に大きいですね。日本の盲腸の治療費はかなり安い水準。ということはイコール、海外で治療をされた場合の治療費の引き直しも低く見積もられてしまう、ということ。つまり還付金はとても少なくなるということです。

緊急手術や大病院などへの移送が必要なケース、脳疾患・心疾患やガンに罹患してしまった重大な病気やケガのケースです!

緊急手術や入院、そんな時あなたはどうしますか?

さあここからは、かなり重篤なケガや病気で、緊急入院や手術が必要なケースで見ていきます。

あなたはこれらのもしもは、自分には起きないと思っていませんか?

事例6、アメリカ滞在中、肺結核と診断され、治療に49日間入院したケース。治療費総額なんと4,335万円!

  • 日本の海外旅行保険:これだけの治療費となると、治療費用無制限なら全額保険から補償され、自己負担はゼロ円。でも契約した治療救援費用が例えば3,000万円なら自己負担は1335万円になってしまいますのでご注意を!
  • 日本の健康保険:日本では、肺結核での49日間の入院治療で認定が225万円だった場合、高額医療費制度も適用され、225万円の内99,930円が日本水準での自己負担額となるので、海外での実際の自己負担額トータルは、41,199,930円!海外旅行保険無しでは考えられませんよね。

事例7、カナダに旅行中、転倒して右肩骨折。帰国後手術を行ない、入院・通院をしたが、後遺障害が残ったケース。治療費総額1311万円。

  • 日本の海外旅行保険:全額保険対応で自己負担ゼロ+後遺障害保険金1,200万円が支払われました。(死亡・後遺障害保険金の設定額にもよります)また、通院時の全てのタクシー代も払われました(事故発生日から180日以内の通院)。
  • 日本の健康保険:手術や入院、通院費用などで、43万円が認定。後遺障害の認定は1級2級(一部3級)のみのため、障害者年金の対象にもならず、自己負担総額は1280万円。もちろん、病院への通院交通費費や差額ベッド代、食事療養費などは全て対象外。

日本の海外旅行保険は、ベースが傷害保険。よって、後遺障害は1級から14級まで一時金が、発症日・発生日から6か月後に認定されます。これは、非常に大きな安心です!

事例8、アメリカ滞在中にくも膜下出血を発症。近隣医療機関の救急処置室に搬送されるも治療ができず、ヘリで大学病院に搬送。緊急手術を行なうが意識が回復せず集中治療室への入院が続いた。約一カ月の入院を経て、医療搬送機で帰国となったケース。掛かった費用総額9,250万円!

  • 日本の海外旅行保険:治療救援費用の補償限度額次第。限度無制限なら、全額補償対応で自己負担はゼロ!
  • 日本の健康保険:緊急手術+入院2週間で、180万円の認定。高額医療費制度を利用し、170万4,570円が還付。日本への移送費等は一切対象外で、自己負担額トータル約9,000万円!

日本の海外旅行保険は、治療救援費用の中に日本などへの移送費用や、3日以上の入院時に日本の親族が海外へお見舞いに来られる費用なども全て含まれています。そのようなケースを考えれば、日本の健康保険では歯が立ちません。

これらの事例を見れば、もはや健康保険を続けるかどうか、というより、海外旅行保険無しでは大きな安心は得られない、ということですね。実際、海外での多額の治療費が払えず、困窮しているケースが良くあるため、外務省でも「海外旅行保険への加入」を、渡航者に推奨しています。

海外で長期生活を続けられる方へ、あらゆるケースに安心をもたらす保険の組み合わせをお伝えします!

長期入院や療養に備えることが、海外ではとても大切です!

前述のように、海外では非常に大きな安心が得られる日本の海外旅行保険ですが、弱みもあります

それは、ケガや病気の治療について、最長発生から180日以内の治療費しか補償されない、ということです。

どういうケースが考えられるでしょうか?

長期療養に備えることも、非常に重要な海外生活での安心

事例9、アメリカで肺ガンに罹患。高度先進医療で治療し、以後再発防止のため抗がん剤治療をずっと続けたケース。

  • 日本の海外旅行保険:保険会社が認めた治療であれば、発病から180日以内の治療費は全額補償。但し、181日以降の通院治療費は対象外。よって、診断から180日以内の治療費は全額対象で自己負担はゼロだが、以後、長引けば長引くほどそれらの治療費は全額自己負担に。
  • 日本の健康保険:高度先進医療などは対象外。但し、認定された必要な治療費は、期限を問わず3割負担にてOK。つまり、生涯治療が必要な場合には生涯3割負担でOK。

ここが唯一、日本の海外旅行保険の弱みです。

このように、長期の療養が必要となる病気の場合は、日本の海外旅行保険だけでは万全とは言えません。そのようなケースを鑑みて、海外で長期生活をされるあなたに、最強の保険準備をお伝えします。

「日本の海外旅行保険」+「日本の民間保険会社の終身医療保険」+万一の際は、帰国時日本の「国民健康保険」

例えどのような状況になっても、備えあれば憂いなし。

これこそ、日本人には最強のパターンとなると思います。

もちろん海外現地に移住されていれば、「日本の国民健康保険」と同様の現地医療保険に入れますので、そこはそれに代替えしてください。

ただ、日本の国民健康保険は、脱会されていても、いつでも帰国して再加入すれば、その日から3割負担で持病であれ歯科治療であれ、日本に住所が置ける方であればすぐに利用可能という強味があります。

海外現地で、高額な医療費は海外旅行保険でカバー。ケガで後遺障害が残れば海外旅行保険から一定割合で補償。長期に渡る治療が必要なケースには、日本に帰国し健康保険と民間医療保険でカバー。その場合の民間医療保険は、出来ればガンを含む三大疾病の一時金が出るパターンがベストですね。

また、日本の民間医療保険は、生涯支払いではなく、加入後10年とか60歳などで支払いが完了し、以後終身の保障をしてくれるものが海外生活者には助かります。

日本で生涯生活される方以上に、海外で長期生活される方はしっかりとプランニングをしておくことをお勧めします。

[blogcard url=”https://www.kaigai-hoken.info/oti-and-cancer/” title=”海外渡航中はガンでも治療費補償、180日ルールのメリット・デメリットとは” content=”海外生活が長期に渡る方には、海外旅行保険は必須ですが、では、海外で長期療養が必要となった場合、海外旅行保険だけで安心なのでしょうか?180日ルールについて解説します。”] [blogcard url=”https://www.kaigai-hoken.info/lifetime-medical-insurance/” title=”日本で加入している終身医療保険。海外では殆んど歯が立たず” content=”日本の終身保険を上手に活用し、海外旅行保険だけでは不安な補償をカバーしてください。日本での生活以上に、しっかりとプランニングをお勧めします!”]

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

海外でも日本でも役に立つ、日本の海外旅行保険まとめ

  • 前回のパート1では、海外旅行保険よりも日本の健康保険の方が、一見有利に見える項目がありました。
  • 実際の海外の事例で見ると、日本の海外旅行保険が無ければ、大きな自己負担が発生することは歴然としています。
  • 海外で長期生活をされる日本人の方々へ、日本の海外旅行保険+日本の民間医療保険+万一の際に帰国して「日本の健康保険」(海外現地医療保険も可)で最高の安心を!
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2件のコメント

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